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2013年12月31日(火)  年末の映画感想など。
さて、年末なので今年見たアニメの総括とかコミケレポートとか書こうと思ったんですが、思ってた以上に
ここ一週間分の疲れが出てしまってそこまでの元気は残っていませんでした('A`)ゞ
仕事やらゲスト原稿やらで、3〜4時間睡眠が続いてましたもので…('A`)ゞ

つーわけで、この日記用に少しづつ書き溜めていた、最近見た映画の感想を掲載してお茶を濁してみるなど。
コミケのレポートは三が日中に書くと思います。たぶん。






●『魔女っ子姉妹のヨヨとネネ』見てきました。(12月30日)
(以下、ほぼネタばれなしの感想)

あ〜なんというか、すごく惜しいなぁ…。
せっかくいい感じに見えるこの世界に没頭したいのに、細かい粗でちょくちょく我に帰らされてしまうのが
非常に残念でした。
物語のパーツそれぞれや、個々のエピソードなどはすごくいいものがありながら、全体的にあまりバランスが
取れてないと言いますか、なんか全体的に馴染んでない感じ。
…と、そんなことを思いながらパンフレットを読んでましたが、監督のインタビューの中に
「今回は脚本が決定稿にならないまま絵コンテ作業に入ったので、絵コンテで一つ一つの物語のポイントを
決めていくことになりました」
という部分があって、やっぱりなぁという感じ。
繰り返しますが、いい部分はたくさんあるんですこの映画。だからこそこの全体的なチグハグさがもったいなさ過ぎる。

あと、単純ながら一番しっくり来ない部分。
それは、タイトルが『ヨヨとネネ』なのに、二人での活躍がほとんどなかったこと。
まあ、お話の都合上同じ場所にいることが極端に少ないので当たり前なんですが、それでも常に二人がシンクロして
チームプレイしてくれるならまだ納得がいくのですがねぇ…。
基本、この映画の主人公はヨヨさんで、ネネちゃんは添え物的な立場だったし…。
しかもこの映画、原作は『のろい屋しまい』なんですよね。まあ、こっちがタイトルでも「しまい」がともに活躍する
話じゃないので違和感はありますが、『ヨヨとネネ』とされるとはっきりと「ああ、その二人が活躍するんだろうなぁ」
とイメージ付けられてしまうので、よけいにまずいんじゃないかなぁ…。
たとえば『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』においてパンティさんだけが活躍してストっちゃんがほとんど
出なかったら違和感感じるでしょ?

まあ、私は原作を読んでいませんので、ひょっとしたら原作ではもっと二人の活躍が楽しめるのかもしれませんね。
たとえばこの映画が三部作とかで、今回の話はエピソードのひとつとかだったらまだ違和感がなかったかもしれません。

それにしても、主役のヨヨさんを演じた諸星すみれさん、恐るべしです。
たしかまだ中学生なのに、立派に力強い主人公を演じきっていました。
今年も彼女はシュガーラッシュのヴァネロペ役とか大役が続いて、末恐ろしいと思いました。

しかし、ヨヨさんの声作りがわりと『アイカツ』のいちごたんに近いので、見てて時々連想してしまって困りましたw




●『かぐや姫の物語』見てきました。(11月29日)
以下、なるべくネタバレしない程度の感想&体験記。

まず思い浮かぶキーワード。
・「銀幕でおっぱい」
・「JJI落ち着け」
・「男ってホント馬鹿」
とにかく「見たこともない映像」が見たいという私のような映像フェチは、借金してでも観に行くべき。

 劇場は案の定、『風立ちぬ』以上のお年寄り率。
『風立ちぬ』の時に私は「これからはやはり老人向けアニメの時代なのではないか」というようなことを
つぶやいたけど、今回は輪をかけてそんな感じでした。
 並びで見ていた老夫婦が、おそらく普段はアニメどころか映画館にもあまり来ないんだろうな〜という
おももちで、幼少期のかぐや姫の赤ちゃん描写に喜んで逐一感想を述べていたのが印象的でした。
こういうのは迷惑と言うよりむしろ、劇場で見る醍醐味だと思う。
うん、あの赤ちゃん表現はほんと見事でした。頭が重くて重心が安定しない様子すら描かれてたし。
あと歯のない赤ん坊の大口笑いとか。
 あと案の定スタッフロールでキャストの地井武雄で驚いてました。よっぽどプレスコについてお教えしようかと
思いましたが、不審者に思われそうなのでやめました

 そんで見た感想としては、
「俺、アニメ好きでよかったなぁ」と。
出来のいいアニメ映画見たときにたまに思う、
「これって実写でもいいんじゃね?」
という疑問は今回一切なし。すごい3DCGとは逆ベクトルの、いまどき稀有な映像体験を満喫しました。
この映像をいつまでも見ていたいと思う。

 映像としては本当に宝物のようなアニメですよ。高畑氏が『山田くん』でたどりつけなかった、
ようやく上り詰めた高みはここだったんだなぁと。
いうなればこれは「動く鉛筆画淡彩」。
画面のすべてを描き手がコントロールしてるという意味では、既存のアニメの進化系というよりもむしろ
鉄拳のパラパラ漫画の究極進化系というべきじゃないかな。

 実写の持つ、実際の光景を監督やカメラマンのセンスで切り取るという映像とはまた違った美しさ、
言い換えればセンスのいい絵描きの目や脳を通してみる美しさに身をゆだねる面白さ。
どちらがいいという話ではないけど、こういう映像表現はアメリカを筆頭としたCGアニメではまず
表現できない。(もちろん日本でも、たとえでもかなり難しかったはず)
まっさきに浮かぶのがフレデリック・バックの『木を植えた男』などの作品だけど、あれは本当に
個人技の世界だしなぁ…。
あとこういう表現ができるとしたら、あとは中国のアニメかな…?でも、あの国は優れた芸術家を
伸ばせない状況にあるからなぁ…。

 で、内容はと言うと…。
テーマ的には「あ、うん、そうね」という感じ。
でもこれは、もうちょっと歳をとってから観るとまた見方が変わりそう。
爺さんになってからもう一度考えながら見てみたいという感じ。
そういう意味では長く付き合えそうな作品ではあります。

 あと細かいところでは、かぐや姫に仕える女童ちゃんがかわいかったな〜。パタリロみたいで。
個人的にはこの映画で最萌えキャラ。おもわず劇場でグッズを買ってしまった。
 それとこの映画、ところどころの表情演技がかなりいいんだけど、とくに翁の顔の七変化がいいんだよなぁ。
でもときどき徳弘正也の描く不細工キャラに見えてしまって何度か噴きそうになりました。

 それと、地井武雄とかいろんな俳優さんのことは話題になってるけど、あえてピックアップしたいのは、
声優として伊集院光がいい仕事してたということ。
伊集院さんは前から声優向いてると思ってたんだけど、まさにわが意を得たりという感じ。
プレスコのせいもあるのか、まるであてがきのようなキャラでした。
仮に実写化の話があってもそのまんま氏に演じて欲しい。

あと、『かぐや姫の物語』のとあるシーンで、『プリキュア5』のファンは絶対過剰反応する。(断言)


↑とまあ、見てきたばかりの感想がこんな感じ。
でもその後、他の方の感想を聞いたりしてもう一度考えてみると、またいろいろ見方が変わりそうな感じ。
(主にテーマについて)
やっぱりこの作品は、何度か見直してみたいですねぇ。




●『さかさまのパテマ』見てきました。(11月21日)
『サカサマのパテマ』ですが、「親方大変だ!地下から女の子が振ってきた!」←要約するとこんな映画。
まあ、観に行く人も少ないだろうから、序盤のネタバレくらいはいいよね?

 で、『パテマ』ですが、舞台設定もお話のテーマも非常に魅力的でした。でも残念ながら、
表現力がもうひとつなために、それらの魅力が最大限に発揮できてない。そんな印象。
我々の現実とくらべて非常に変わったルールで動く世界なので、その変わったルールを説明しきるまでは、
見る側に「なんか面白そう、もっと知りたい」と思わせる求心力が必要だと思うんだけど、
それがちょっと弱い。
 せっかく魅力的な設定でも、最初の5分で心をつかめなければ、見てる側はその世界に拒絶されたような
印象を受けるんじゃないかなぁ。
そういう変わった設定に最初から興味がある私でも導入部に苛立ちを感じたくらいだから、
そうでもない人はもっと辛いと思う。
 わかったつもりでも結構混乱しやすい設定なので、そういう部分にストレスを感じさせてはまずいんですが、
実際絵にするのは難しいとは思うんですけどね。
自分が描けと言われたらどれだけ表現できるか。
でも、そういう世界の描写に挑んだ意欲作であることは大いに評価したいなぁと。

 ただ、ラストを含めて「これどうなるんだろうドキドキ」→「え、こんなんで解決でいいの?」ってのがあるのが
ちょっと痛いかなぁ…。
あと、キャラクターデザインがすごく中途半端。
一般にアピールするには悪い意味でのオタっぽいし、オタにアピールするにしてはぬるすぎると言いますか。

 でも、「ちょっと視点を変えただけで自分の価値観が揺らぐ面白さ」みたいなむずむずする感じに興味がある方なら、
一見の価値はあると思いました。必見ではないけど価値の有る一品。

↑こちらも見てきた直後の感想がこんな感じ。
でもこちらは今も特に印象は変わってないですね。




さて、年末らしさのかけらもないテキストでしたが、今年の更新はこれが最後です。
今年も『エチコ』をご贔屓にいただきありがとうございました。
来年もゆるゆるとよろしくお願いします。

ひとこと